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「国籍選択」と「国籍選択宣言」との粒度(話の範囲)の違い

 東京法務局に「日台重籍者」の扱い(国籍選択)について相談したら「日本国籍単一国籍として扱う」と説明された件、に対して、ある方(以下W氏)からツイッターでコメントをいただいた。

私)東京法務局は、『日台重籍者』については『日本国籍単一の国籍を持っていると扱う』と私に説明してくれました。日台重籍者の方は、国籍選択手続きの前に法務局の国籍相談窓口にて、ご自身のケースについて実際に相談、確認なさることを強くお勧めします。

W氏)例えば韓国籍を選択したい人が法務局に電話して「韓国籍を選択したいのですが日本国籍選択の宣言は必要ですか?」と質問すると、「不要です。韓国籍を選択したいなら日本の役所でなく韓国領事館に行って下さい。」関係ない役所に質問しても無駄。

私)韓国籍の選択で、法務局とのそうしたやり取りの実例があるのですか?それとも空想? 法務省サイトの説明図で確認してほしいのですが、私の相談した「国籍選択」とは図の全体です。おっしゃるような、図の2-(2)(日本国籍の選択宣言)だけに限った話ではありません。

W氏)その表のどこに日本の役所で外国籍の選択ができると書いてますか?日本国籍選択の宣言は日本の市区町村役場でする手続きです。日本国籍以外の外国籍の選択は日本の市役所や法務局ではできません。当然の事を申し上げてるだけですが?

なお、ここで言っている表とは、法務省のサイト

法務省:国籍の選択について

にあるこの表のこと。(当方で、赤、緑、青の3つのワクを追記した)f:id:liuk:20171116192319j:plain

 

さらにこのようにも

私)表の1から、1-(1)への流れです。図からもわかるように、ここでいう「「外国」の国籍の選択」とは1-(1)もしくは1-(2)の手続きを行うことです。1-(1)を使うなら、国籍法13条により日本国籍を離脱することが、すなわち「「外国」の国籍の選択」です。これは当然日本の役所で行う手続きです。 

W氏)日本の役所で行う手続きは「日本国籍選択の宣言」と「日本国籍離脱」の手続き。外国の役所で行う手続きは「外国籍選択」の手続きと「外国籍離脱」の手続き。日本の役所で外国籍選択したり外国籍離脱する事はできません。おわかりになられますか?

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 W氏は、「外国籍の選択」は「外国の役所で行う手続き」だから、日本の役所である「法務局」に聞いても無駄だ、とおっしゃりたいのだろうか?

 ちなみに、図で

1-(1)では、日本側の役所に「国籍離脱届」(日本国籍の離脱の届)

1-(2)では、(制度がある一部の外国の役所での選択手続きのあとで)日本側の役所に「国籍喪失届」(日本国籍の喪失の届)

2-(1)では、(外国の役所での離脱手続きのあとで)日本側の役所に「外国国籍喪失届」

2-(2)では、日本側の役所に「国籍選択届」(日本国籍の選択宣言)

を出すことで、手続きは完了する。4通りのどの方法でも、最終的には『日本側』に『届』を出すことになる。

 だから、法務局に「外国国籍の選択」を相談したとしても、W氏のコメントのように、冷たく突き放す状況は考えにくい。青枠部分1-(1)および、1-(2)のやり方を丁寧に説明してくれるはずである。

 W氏は、1-(1)については「(1-(2)の)外国国籍の選択ではない」と言いたいのだろう。そこは別にこちらも否定してはいない。そもそもこちらが言っている「外国国籍の選択」とは緑枠1のことであって、1-(1)もしくは1-(2)を含む粒度の話だっただけ。この部分、見解に相違があるわけでもない。

 赤枠緑枠青枠で粒度(話の範囲)が違うのだから、そこは整理して議論しないと、無駄な水掛け論になってしまう。

 

以上を踏まえたうえで、私が法務局に問い合わせた際のやり取りを聞いてみてほしい。

www.youtube.com

 肝心なのは、法務局側は日台重籍者を「日本国籍単一国籍として扱う」と説明していること。「二重国籍扱いだけど義務が履行できないので免除する」という言い方とは異なる。『単一国籍として扱う』のだから、そもそも赤枠の『国籍選択』という『義務』の対象者には、ならないわけである。

 

日台重籍者の方は、国籍選択手続きの前に法務局の国籍相談窓口にて、「ご自身のケース」について「義務にあたるのかどうか」の相談、確認をなさることを強くお勧めします。