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「実務上、台湾籍だと法務省は『重国籍』と取り扱わない」 ・・田上嘉一弁護士とのやりとりから

 一昨年秋からの蓮舫騒動。「国籍法違反だ」として蓮舫氏批判論に乗った「有識者」は数知れないですが、実務上の台湾の扱いをどこまで了解したうえで批判をしていたのかは疑問です。実際には「有識者」も多くの「誤解」を残してしているのではないか。「誤解」が解ければ「蓮舫批判」もまた違ったものになるのではないか?と思わせる事例がありました。

 弁護士の田上嘉一先生は、2017/7/20(木)、YahooNewsに掲載した記事
「【蓮舫議員二重国籍疑惑】本当の問題はどこにあるのか」

news.yahoo.co.jp

の「国籍の選択をしていなかった蓮舫氏」の段で

>「(中略)蓮舫氏が本来国籍選択を行うはずだった22歳となる1989年11月から昨年10月までの実に27年もの間、この義務を怠っていたこととなるのです。14条は16条の努力義務とは違い、あくまで当該行為を行うか行わないかですから、これを怠っていることは明白な法律違反といえるでしょう。」

と書いていらっしゃいます。国籍法14条の手続き(国籍選択)が、日台重籍者にとって「義務である」という前提で論を展開していらっしゃったわけですね。

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また、2017年7月19日のツイッターでは

>「問題は、あくまで蓮舫氏がこの14条の手続きを怠っていたことにあるのですよ。」

 とも書いていらっしゃいましたので、私からツイッターの方にコメントさせてもらいました。

>田上先生、私は近親に日台重籍者がいる台湾籍の者です。国籍法14条の選択義務について東京法務局に確認したところ、「(日台重籍者は)日本国籍単一の国籍を持つとして扱われる」との回答でした。(音声あり) https://youtu.be/nsVLbr2ZEx8
 よって特に手続するつもりはありませんが、問題ありますか?

 

 これに対し、


このやり取りの後、別のツイートにて田上先生は

>実務上、台湾籍だと法務省は重国籍と取り扱わないですよ。

 と書いていらっしゃいました。さすがに有識者だと感心した次第です。
欲を言えば、YahooNewsの既公開記事に補遺をつけて一般日台重籍者が誤解を受けないような配慮をお願いしたいところではありましたが・・。)

「実務上、台湾籍だと法務省は重国籍と取り扱わない」というのは、蓮舫騒動にかかわる巷の議論の前提をひっくり返すものです。もし、「単に批判のための批判をしたいだけ」なのではないならば、有益な議論につなげるためにこうした確認をきちんとすることを、他の「有識者」の皆さんにはお願いしたいものです。