「フェイクニュース」を語る資格
青木文鷹氏が今日(3月24日)、「フェイクニュースはなぜ拡散されるのか?」というセミナーをやるらしいので驚いた。青木氏は、昨年7月、当方がツイートで
>「国籍選択」は、日台間の場合、非対称(日本籍は選択できるが、台湾籍は選択できない)扱いです。
「国籍選択」は、日台間の場合、非対称(日本籍は選択できるが、台湾籍は選択できない)扱いです。無理にフローを書けばこの図のようになります。蓮舫氏の件が表に出るまで、国籍選択手続きが求められているなどとは思っていなかった台湾関係者は、(私も含め)少なからずいるのではないでしょうか。 pic.twitter.com/elw7OdA4mu
— Liu, Kuang-Yu (@vinaliuk) 2017年7月14日
と書いたところ、これを取り上げ、
「台湾側が帰化認めてるから日本国籍放棄できる」という飛躍した論理で「間違い」と断言してみせた方だ。
これも間違い。外交上の国家と国籍法上の国家の扱いは別。国籍法の運用上は日本が承認していない北朝鮮も台湾も「国」扱い。実際に台湾へ帰化、日本国籍を放棄した人は普通に居る。台湾側が帰化認めてるから日本国籍放棄できる【日本台湾交流協会】https://t.co/NTDZFCUm1E https://t.co/ahucjMZiwx
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2017年7月19日
(※実際の扱いは次の通り、
・日本人が台湾に帰化する場合、日本籍は放棄できない。但し日本側は、日本の国籍離脱届の不受理証明書を出す。それを台湾側に提出すると、台湾籍を取得できる。日本籍離脱が認められない結果、日台重籍になる。)
当方は、ファクトとして、「日本政府が国籍離脱を認めない」と書いている櫻井よしこ氏の記事を示した。
>実際に台湾へ帰化、日本国籍を放棄した人は普通に居る。
— Liu, Kuang-Yu (@vinaliuk) 2017年7月19日
普通にはいませんよ。「超特例措置」で数人いるかどうか、といったところ。櫻井よしこ先生のこの記事ご覧ください。https://t.co/AKFFXVnqkR
またnor 氏が、多田恵先生の法務省に問い合わせた際の記事
>「法務省に確認してみた。(中略)「日本国籍離脱」の手続きであれ、「日本国籍喪失」の手続きであれ、台湾「国籍」への帰化ないし選択のためということであれば、これを行うことが出来ないという取扱いだという」(多田 恵「日台共栄」10月号(第40号)
を示した。
これに対して青木氏は「友人」からの伝聞を持ち出し、法務局に電話取材すると宣言。さらに
>(蓮舫氏の問題は「台湾籍放棄」で日本国籍放棄とは別物なのに、なんでウチがこんな事せにゃならんのかという思いはある)
などと恨み節。
国籍選択で台湾籍選び国籍放棄した知人が居るのですが…それじゃ反論と認めて貰えんでしょから近々に法務局へ電話取材しますよ。それでよろしいか?(蓮舫氏の問題は「台湾籍放棄」で日本国籍放棄とは別物なのに、なんでウチがこんな事せにゃならんのかという思いはある)
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2017年7月19日
(いやいや待ってください、私のツイートをFF外からいきなり「間違い」と断言してきたのは青木氏の方なのですから、こちらがファクトを示した以上、それを否定する根拠があるならそれを示してもらわないと。)
結局その後、宣言したはずの「法務局への問い合わせ」も行った形跡がない。
仕方がないので、当方で「法務局への問い合わせ」を行った。その際の音声がこちら。
※「日本の方では台湾の事を国として認めているわけではないので、台湾国籍と言うのは日本側の扱いにはそもそもない。(日台重籍者については)日本国籍単一の国籍を持つと言う風に扱われる」」
※「(選択の)手続きをする必要はないし、しなかったからと言って何らかの咎めがあるわけではない」と説明されています。
ファクトに対して誠実に向き合う姿勢を示してはじめて「フェイクニュース」を語る資格があるのではないか?と私は思う次第です。