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蓮舫さんは国籍法上「重国籍者扱い」ではなかった

2016年の蓮舫さんのケースのように、単に「台湾の籍を持つ日本国民」というだけでは、「重国籍者(外国の国籍を有する日本国民)」とは扱われないことが、国の文書(総務省審査会答申)に示された法務当局の見解で明らかになりました。

・「外国国籍」とは,「日本国が国家承認している国」の国籍。
・「外国国籍の有無」は「当該外国政府の発行する国籍証明書」によって判断。
・「台湾当局発行の証明書」は「国籍証明書」として受け付けない。

これが要件ですので、「台湾の籍を持つ日本国民」が、法の上で「二重国籍者」扱いになるためには、「中華人民共和国の国籍証明」を取得しているという特殊事情が必要になります。
 これに当てはめて考えれば、蓮舫さんのようなケースでは「重国籍者扱い」にはならないのが明らかです。

◎情報公開・個人情報保護審査会 答申番号令和元年度(行情)295
http://www.soumu.go.jp/main_content/000654465.pdf
(13ページ以降、審査会による諮問庁(法務大臣:法務省)からの聞き取り内容。)

重国籍扱いになる要件とは

◎情報公開・個人情報保護審査会 
答申番号令和元年度(行情)295 で示された「重国籍扱いになる要件」
http://www.soumu.go.jp/main_content/000654465.pdf
 この答申書のP13~15には、国籍法(14条)で、「国籍選択義務」が発生するための「要件事実」が何であるか、審査会による諮問庁(法務大臣:法務省)からの聞き取りの形で、文書開示されています。このような内容が、「国の機関から文書で公開された」ことは初めてで、意義があります。

 国籍法14条の条文は「外国の国籍を有する日本国民」に、一定期間内の「国籍選択」の手続きを義務付けるものです。
 しかし、「外国の国籍を有する日本国民」という定義は、抽象的であり、ある人がこれに該当するかどうか、必ずしも自明とは言えません。その典型的な問題が、いわゆる「蓮舫騒動」における「台湾籍の扱い」でした。

 今回の答申書p13以降に示された、法務省側の説明によると、

ア)「日本国籍」及び「外国国籍」を保有する者は,国籍法14条の定める国籍選択義務を負う。
「外国国籍」とは,日本国が国家として承認している国の国籍を指す。
イ)「外国国籍の有無」は「当該外国政府の発行する国籍証明書」によって判断する。
ウ)「台湾当局発行の証明書」は「国籍証明書」として受け付けない。

こういった扱いだ、というわけですから、日台重籍者が「外国国籍」を持っていると扱われる場合の「要件」は、当人が
・日本国が国家として承認している「中華人民共和国政府の発行する国籍証明書」を取得しているかどうか?

になるはずです。
 実務では、かつての蓮舫氏の場合も含めた日台間のケースで
・台湾当局の国籍喪失証明を添付した「外国国籍喪失届」は受け付けません
・「日本国籍選択宣言」であれば、受け付けられます。この手続きの場合は、国籍証明書の添付を求めておらず、外国国籍の有無は当人の自己申告に基づくからです。

・一方、当人が仮に「台湾」を選ぼうと「日本国籍の離脱届」を提出した場合には受け付けられません。「現に外国国籍を有することを証明するに足りる書面」の添付が必要ですが、上記ウ)のとおり、「台湾当局発行の証明書」では受け付けられないからです。
(「中華人民共和国政府の発行する国籍証明書」なら理屈上受け付けることになりますが、だから重国籍だというのは牽強付会の類と言わざるを得ません)
====================
つまり、蓮舫さんは「証明書を添付して厳密な外国籍の有無が判断される手続き」であれば、「重国籍者」として扱われる場合が無かった立場なのに、「自己申告」で受け付ける国籍選択宣言に誘導され、「中国籍を持っている」と書かされ、嵌められたことになりそうです。

台湾の籍を持つ日本国民が、必ずしも二重国籍扱いにはならない話 (情報公開・個人情報保護審査会の答申に基づいて)

2016年9月の騒動の時、蓮舫さんは
・「台湾の籍を残したまま」だったから「二重国籍」で「国籍法の義務違反」だ、
とバッシングを受けました。

でも蓮舫さん騒動のずっと前から「台湾の場合は、日本側から見ると国扱いではないから、両方の籍を持っていても、日本の役所では「単一国籍扱い」とされる」「問題ない」という話を、私は聞いていたのです。だから、当時の私は「そんなバカな」と驚きました。

いったい、いつから「扱い」が変わったの?
 役所で、当事者に対して「問題ないよ」と長年説明していたはずのものが、いつの間にか「義務違反だ」とされてしまうなんて、当事者の立場にたてば不意討ちもいいところで、とても恐ろしいことです。
 実際、私の周囲の当事者の不安は大変なもので、これはどうにかしなければいけないと思いました。そこで、2017年10月に、私自身で東京法務局に電話で問い合わせました。その結果は・・

「日本から見れば、台湾は国として認めているわけじゃないので単一国籍扱いですよ。」
「ええっ!」(だよね、昔からそういう話だったよね、でもじゃあ、蓮舫さんは?)
(この時の録音は https://www.youtube.com/watch?v=nsVLbr2ZEx8

その後、私は自分自身の体験談として「東京の法務局では、日本と台湾の場合は、単一国籍扱いだって言われたよ」と周囲の人に話してきました。ところがそのうち、私の話を聞いた人がさらに、東京法務局に電話して確認してみたところ、
「そんな説明はしていない」「その人(私のこと)が勘違いしているんだろう」
というようなことを言われたというんです。

ガクッときました。そりゃないです。友人の間で、まるでワタシがフェイクニュースの発信源みたいに疑われてしまいます。これは自分の信用、名誉のためにも捨て置けません。
それよりなにより「問題ないって言われたよ」と説明したとき、「ホッとした!」と喜んでくれた当事者に、またもや不安な思いをさせてしまうことが許せませんでした。

◎そういえば、蓮舫さんのときも・・と思いだしました。
 蓮舫さん、たしか「法務省から、台湾は国ではないから、問題ないと説明された」と話したあげく、大バッシングを受けていましたね。「そんな説明はしていない」との役所の手のひら返し。とどめは2016年10月18日 法務大臣閣議後記者会見での、このやりとり、
=============
【記者】
 民進党の蓮舫代表は,法務省から国籍法違反に当たらないという見解を文書で頂いたという趣旨の発言をされているのですが,今の大臣の御説明を前提とすると,国籍法の違反に当たらないという説明をした事実はないということでよろしいでしょうか。

【大臣】
 そうした発言については,今の段階で承知していません。一般論で申し上げたように,台湾出身の重国籍者については,法律の定める期限までに日本国籍の選択の宣言をし,従前の外国国籍の離脱に努めなければならず,期限後に,これらの義務を履行したとしても,それまでの間はこれらの国籍法上の義務に違反していたということになります。法務省としては,この点について説明を求められれば,同様の説明をすることになります。
=============
このやりとりで、蓮舫さんは、「話をでっち上げる人」というレッテルを貼られてしまいました。私も、このとき、「勘違いした話を吹聴している人」というレッテルを貼られそうになり、「経験したことのない怖さ」を感じました。(結果的に録音があって助かりましたが。)
ーーー
ちょっと脱線しますが、「国籍法の違反に当たらないという説明」についての大臣発言
『そうした発言については,今の段階で承知していません。』
この部分、読み返すと、「今の段階で」には、なんだか含みがありそうです。仮にそう説明していた事実が後で明らかになっても言い訳できるし、事実が明らかにならない限り、いかにも否定したような印象を与えることができる、巧妙な言い方です。
ーーー
さて、本題にもどって、
◎もうこれは、口頭で水掛け論していてもしょうがないから、行政から説明を「文書」で出してもらおう、と思い立ちました。
 義務なら義務で、義務でないなら義務でないで、説明の根拠になる「そう書いた文書」があるはずでしょう?
 そもそも、考えてみると「日台重籍」の問題についての公式な文書情報って、これまで全く無いじゃないですか?

 なるほど、マスコミ各紙が取材した記事。大学の先生や研究者がそれぞれ、いろんな説、解釈論を述べていますけれど、○○先生はこう書いている、○○新聞はこういう記事を書いていたといっても、それ、当事者にとってはあくまで参考情報にしかならないですよね、そういう巷の意見を読んだだけでは、安心して手続きなんかできません。
 重国籍扱いか否か、義務に当たるのかそうでないのか。そういう根本的な話は、それを扱う「国」が、文書で「国としての見解」を示してくれなければ、当事者は判断のしようがないのです。

 そこで私が使ったのが「情報公開制度」です
(総務省・情報公開制度 教えてペンゾー先生!)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000476660.pdf

 行政文書は、個人情報など、法律で決められた差しさわりのあるものを望いては、請求があったら「開示」することになっています。「これだっ!」と思ったのです。

 2019年1月7日、東京法務局に「行政文書開示請求書」を提出し、
「台湾の籍を持つ日本国民についての国籍選択の扱いに関する、説明の根拠文書」を開示するよう、求めました。
 2019年2月7日 「そういう文書は無いので不開示」という「決定通知書」が届きました。
 2019年4月15日、行政不服審査法を使って、法務大臣に審査請求をしました。「単一国籍扱いだ」と説明したんだから根拠文書が無いなんておかしいでしょ?という話です。

 2019年5月9日、法務大臣から、総務省の「情報公開・個人情報保護審査会」への諮問があり、その通知書が届きました。(その中で「令和31年諮問第4号」とあるのはご愛敬)

 2019年5月27日、当方から証拠資料(録音データ含む)と意見書を送りました。

 その後約半年待ちまして、
 2019年11月12日に、審査会の「答申」の公開に至りました。

 審査会の結論自体は「根拠の文書は無い」という、法務省側の説明をなぞるものだったのですが・・

※そのかわりに審査会が、諮問庁(法務大臣:法務省)に、どういう場合に重国籍者扱いにされるのか?など、扱いにかかわる内容を聞き出して、すべて答申書の中に記してくれました。私にとっては、結果的には欲しかった情報が、ほぼすべて得られたということで、「目的達成」です。

 その「答申書」がこちら。
・答申番号令和元年度(行情)295(諮問番号 令和元年(行情)諮問第4号)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000654465.pdf

この答申は、総務省のこちらのサイトからたどれます。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/jyouhou/toushin_h3102_0004_00001.html

特に、p13-p14の法務省側説明の内容は、きっと蓮舫さんもびっくりだと思います。
 ただ、表現が難しいので、私なりに思い切り意訳して書いてみます。 
(原文とつきあわせてご覧ください。解釈の間違いがあったらご指摘ください。)
===================
(超意訳)
第5 審査会ではこのように判断しました
1 今回の開示請求について
 今回の開示請求は、「台湾の籍を持つ日本国民についての国籍選択の扱いに関する、説明の根拠の文書」を見せてください、というものです。
 でも、法務省は、「そんな文書はありませんから、見せられませんよ」と言っています。
 審査請求をした人は、「そんなことは無いでしょう? もう一回よく探して、見せてくださいよ」と言っていますが、法務省は「無いものは無い」と言う話ですから、私たち審査会は、そういう文書があるのかないのか、と言う点から検討をしました。

2 今回の開示請求の対象文書があるのかないのかについて
(1)対象文書があるのかないのかについて、私たち審査会の事務局の担当者が、法務省の人から聞き取り調査しました。だいたい、次のようなことを言っていました。

ア)日本の国籍と外国の国籍を両方持つ人には、国籍法14条の国籍選択の義務があります。
 ただ、前にも説明しているように、この「外国の国籍」というのは
「日本が、『国家』として承認している国」の国籍のことなんですよ。でも、それって当たり前なので、わざわざ文書にしていません。

イ)ある人が外国の国籍を持っているかどうかは、その外国の政府が知っていることなので、別の国の政府が判断することはできません。
 だから「外国の国籍を持っているかどうか?」というのは、その外国の政府が出した証明書で判断します。このような扱いは当たり前なんです。届け出ごとに、個別に(証明書があるかないか)で「外国籍があるかどうか(二重国籍扱いか)」を判断しているんですね。
 ですから、電話で「私の場合、二重国籍扱いか?」などと聞かれても「(証明書の有無を厳密に確認できないので)答えられない」のです。
 以前、東京法務局に電話いただいたときに、一律に「台湾の籍を持っている日本国民は,日本側は当事者を日本国籍だけ(重国籍ではない)と扱う。」と説明しちゃっていたのはその通りなんですけど、それって「不正確だ」ということになります。
 あと、その時説明した職員も、何か根拠になる資料を確認して説明したわけではなかったらしいです。

ウ)あと、
・国籍喪失(日本人が、自ら望んで外国の国籍を取った場合、その外国国籍の証明書を日本側に出して、日本国籍を喪失する手続き)
・国籍離脱(日本と外国の国籍を持っている人が、外国側の国籍を選ぶ場合「確かにその外国の国籍を持っている証明」というのを日本側に出して、日本国籍を離脱する手続き)
というのがありますけど、どちらも「台湾当局」の証明書を持ってきても受け付けません。これも国籍法から当たり前のことなので、わざわざ文書にしていません。

エ)法務大臣が記者会見で、「台湾の国籍喪失証明」を持ってきても「外国国籍喪失届は受け付けません」と説明しましたが、国籍法から当然なので、そういうことを書いた文書もありません。

オ)市区町村役場から「台湾の籍」の扱いについて問い合わせがあったときには、法務局はどう答えていたの?と言う点ですが、そういう問い合わせがあったことが確認できないのでそういう文書もありません。

カ)「日本と台湾の籍を持っている人は、単一国籍者扱い」という文書はありません。法務局で回答した人が根拠もなく、そう言っちゃっただけです。

キ)「台湾に帰化手続き」をしても「国籍法11条の日本国籍喪失」をさせない、という文書はありません。(以下略)
(筆者注:とはいえ、ウでは、「台湾当局」の証明書を付けた国籍喪失届は受け付けないことを「国籍法の規定からの当然」としていますから、結局「「台湾に帰化手続き」をしても国籍法11条で国籍を喪失をさせない」と言うことになるんじゃないでしょうかね?)

ク)「日台重籍者の持つ台湾籍は「外国の国籍」にあたらない」という文書はありません。(筆者注:逆に、「外国の国籍」にあたる、という文書もないですよね。ア~ウからは台湾当局の証明書は受け付けず、「日本が、国家として認めている国の証明書」を持ってきたら、「外国の国籍を持っていると扱う」ことになりますが、考えにくいです)


ケ)それらしい題名の文書を調査したけれども、対象外でした。

コ)あと、パソコンや書庫などもう一度調べましたが、見つかりませんでした。
(筆者注:誠意をもって調査しましたよ、ということのアピールでしょう)

(2)法務省の(1)アからクまでの説明は、「特段」不自然不合理「とまで」は言い切れないから、こんなものでしょう。(以下略)
===================

※さて、この内容から読み取れることを考察しましょう。

A)過去、法務局で、一律に「台湾籍を持っている日本人は、日本国籍単一国籍扱い」と説明していた事実が認定されました。
 このことから、こうした言葉を信じていた立場のものについて、仮にあとから「厳密には重国籍扱い」だということになったとしても、そういう立場の人を「義務違反」などとして非難するのは、信義上許されない話です。

B)今回、審議会が聞き取った法務省の説明は、
・「台湾籍を持っている日本人は、日本国籍単一国籍扱い」と、過去、電話では説明していたものの、本来、個別に証明書を確認するのが正しいあり方で、電話相談で結論を言ってはいけない話でしたから、そういう意味で「不正確」でした、と言っています。
 証明書から個別に判断する、というのですから、一律に「台湾籍を持っている日本人は、全員二重国籍扱い」と言う話にはなりません。
※「重国籍者として扱われる場合」もあれば「日本国籍単一国籍者として扱われる場合」もあり得る、ということになります。

C)それでは、「重国籍」と判断されるのはどういう場合か、判断の要件となるのは、
「その外国の政府が出した証明書」の有無です
が「台湾当局の証明書」は受け付けませんとも言っています。
 ですから、ここから読み取る限り、「重国籍」と判断されることになる要件事実は、当事者が「中華人民共和国側の機関」に出向いて手続きをし、そちら側で「中華人民共和国側の国籍証明書」を取得している場合、に限られる、ということになると私は解釈します。

※蓮舫さんが行った「国籍選択届」というのは、証明書を取得していなくても、「○○国の国籍を持っている」と自己申告すれば受け付けられてしまう手続きです。蓮舫さんは「中国」と書いて手続きをしたので、受け付けられてしまったことになりますが、今回の法務省の説明に沿って判断すれば「中華人民共和国側で国籍証明」を取得したことが無いならば「重国籍者」には当たらない、と解釈するのが妥当ではないでしょうか?

 この辺は、是非、法律家の方のご意見をお伺いしたいところです。

日台重籍問題について 情報公開審査会 答申出る!・・蓮舫騒動大逆転?

「台湾の籍」を併有する日本国民(日台重籍者)の国籍法上の扱いについて、情報公開・個人情報保護審査会で行われた審査請求の答申が出ました。

・答申番号令和元年度(行情)295(諮問番号 令和元年(行情)諮問第4号)*1

http://www.soumu.go.jp/main_content/000654465.pdf

(審査会が法務省に確認した内容はp13-p15にあります。)

 これで、蓮舫さんの騒動における「義務違反」の前提が完全にひっくり返ったように自分には思えるのですが、自分は法律素人ですから、特に法律の専門家の皆様(要件事実⇒効果の基本思考を身に着けている方)に見ていただき、コメントをいただけると嬉しいです。


(経緯)
 2016年9月の蓮舫氏の国籍騒動では、台湾と日本の籍を併有する立場だった蓮舫氏が国籍法上の国籍選択義務を果たしていない、とバッシングを受け、大きく報道されました。
 しかし、一般の「日台重籍」当事者の立場に立って情報収集してみると、役所からは全く具体的な情報が文書の形では開示されていなかったのです。そもそも本当に選択義務対象なのかどうか?すらはっきりしません。専門の役所である「法務局」に問い合わせた事例では、「国籍選択宣言を出しておけば大丈夫」と言われたり、「台湾は国扱いではなく、日本側からすればそういう人は日本国籍単一国籍扱いだから選択は必要ない」と言われたり、もう、バラバラ。役所がこの調子ですから、何が本当のところか、わかりません。そんな状況なのに、蓮舫さんの騒動以降、日本社会の中で、日台重籍の当事者に対して「国籍法違反」呼ばわりするのはおかしいのではないか? そこで、「情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)」を使って、「日台重籍者の扱いについて、説明の根拠としている文書を開示してください」という申し立てをしたのです。
 ところが、「根拠文書は存在しない」として不開示決定にされてしまいました。
 なるほど、だから説明する担当者ごとに、言うことが違うのか!と納得してみたり、いやいや、「根拠文書が無い」って行政のあり方として、やっぱりすごくおかしいんじゃないの?と思ったり・・、それで、「情報公開・個人情報保護審査会」で「審査」をお願いすることにしたんですね。その結果が、この度、公にされたわけです。
 審査会の結論も「文書は無い」というものだったのですが、答申では、審査会の職員の方が、諮問庁(法務大臣:法務省)に確認して聞き出し、当方が知りたかった情報をほぼすべて答申の中に文書の形で含めてくださいました。(審査会の先生方、ありがとうございました。)

(答申の中身)
答申は
第1 審査会の結論
第2 審査請求人の主張の要旨
第3 諮問庁の説明の要旨
第4 調査審議の経過
第5 審査会の判断の理由
から成ります。中立的な立場から審査会がまとめている部分が「第5」であり、諮問庁から聞き出した内容がその中の 2(1)ア~コになります(p13~15)。
 日台重籍者の扱いの説明が、公式に、はじめて「文書化」されたことになり、意義は大きいと思われます。中でもア~ウの3つが最重要ポイントなので、そこだけ引用します。

ア 日本国籍及び外国国籍を保有する者は,国籍法14条の定める国籍選択義務を負うことになる。このような取扱いは,上記第3の2で説明したとおり,一般的なものであって,文書を作成又は取得していない。
(第3の2・・国籍法14条の定める国籍選択義務を有する「外国の国籍を有する日本国民」における「外国の国籍」とは,日本国が国家として承認している国の国籍を指すところ,このような取扱いは一 般的なものであって,特段の文書は存在しない。)

イ そもそも,ある者が外国の国籍を保有しているかどうかは,当該外国政府が把握していることであり,他国の政府が判断することはできない。この点からすると,日本国籍と外国国籍を併有すると称する者が,日本以外のいかなる国の国籍を保有しているかは,当該外国政府の発行する証明書によって判断することとなる。このような取扱いは一般的なものであり,通常,届出のあった個別事案ごとに検討し判断を行っている。つまり,処分庁は,電話のみの照会や問い合せにより判断を行うことはできない。したがって,特定年月日の東京法務局の電話による問合せの回答である,一律に「台湾の籍を有する日本国民は,日本側は当事者を日本国籍単一国籍者と扱う。」という説明は,不正確だったといえる。
なお,当時対応した職員に聞き取りを行ったところ,記憶は定かではないが,おそらく当時の電話での問合せに対する回答については,資料を確認した上でのものではなかったと思う旨の回答を得ている。

ウ また,国籍喪失又は国籍離脱の手続の際に,台湾当局発行の証明書を国籍証明書として届書に添付された場合には,受理することができないことは,国籍法の規定から導かれる当然の帰結であり,文書を作成又は取得していない。

読み解いていきましょう。
アは、国籍法14条の原則論を述べていますが、「上記第3の2で説明したとおり」として「「外国の国籍」とは,日本国が国家として承認している国の国籍を指す」ことを明らかにしています。
 反対解釈すれば日本国が国家として承認していないところの「台湾の籍」については、「それ自体」はここでいう「外国の国籍」に含まれないということになるでしょう。

イは、「外国国籍を持つかどうか」は日本側では、「当該外国政府の発行する証明書によって」判断するとしています。
 また、法務局で「台湾の籍を有する日本国民は,日本側は当事者を日本国籍単一国籍者と扱う。」と電話で説明していた事実があることを認めたうえで、それを「不正確だった」と述べています。(但し、「完全な誤りだった」とは言っていません。)
 これは、日台重籍者が「(日本が有効と看做す)外国政府の発行する証明書」を取得している可能性が排除しきれないので、電話説明のように「一律に」「日本側は当事者を日本国籍単一国籍者と扱う。」としてしまうと厳密には正確ではないということでしょう。

ウは、「台湾当局発行の証明書」では国籍喪失又は国籍離脱は受け付けないと言っています。つまり、日本人が台湾に帰化しても、日本国籍の喪失届を受け付けないし、日台重籍者が「台湾籍を選択」しようとしても国籍離脱届を受け付けないことがはっきりしました。
この事実関係から導かれるのは・・・
・「日台重籍者」が、「中華人民共和国側の機関」へ出向き、「中国国籍」の証明をもらってきた場合には、日本側では「重国籍」だと扱う。
 ⇒(外国国籍の選択=日本国籍の離脱)も、この場合は認める。
そうしたレアケースまで想定し、一般の日台重籍者が「日本国籍選択宣言」を届ければ受け付けるのでしょう。
 実際、台湾当局の身分証明を持参し「中華人民共和国側の機関」に行けば容易に「中国国籍」の証明が発行されるというような話を聞いたことがあります。
※但し、台湾籍の当事者が、このようなことをすると、台湾側の法律(両岸条例)で台湾側の身分を喪失することになるそうです。
 つまり、日本が日台重籍者全般に「国籍選択」を義務として迫るということの意味は、

「日本」もしくは「中華人民共和国」のいずれかを選び、いずれにしても台湾籍を放棄しろ、

と言うことになります。
 この「意味」を理解したうえであれば、選択宣言未了の日台重籍者について、一律に義務違反者であるかのような印象を社会に広く流布し、名誉及び尊厳を傷つけることをこれ以上放置すべきではないと考えます。
 イの説明から導かれるとおり、日台重籍者のうち、「あえて台湾籍を放棄して中国側で国籍証明を取得した」ような、限られたケースに関してのみを「重国籍者」として扱っているのだということ、判断の要件である「当該外国(中国)政府の発行する証明書」を取得していない日台重籍者については、重国籍者扱いではないということを、日本側としては明確に説明すべきではないでしょうか。

*1:

注:この答申のファイルは次のリンク先からたどれる答申番号295です。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/jyouhou/toushin_h3102_0004_00001.html 

前日の新元号トンデモ予想

重視されそうな点
・小学校5年生までに習う漢字である。

www.mext.go.jp


明(2年)治(4年)、大(1年)正(1年)、昭(3年)和(3年)、平(3年)成(4年)、(※前回候補の「修文」の修は5年生の字)

・画数が少ない。(一字あたり10画を超えない)
明(8)治(8)、大(3)正(5)、昭(9)和(8)、平(5)成(6)、

江戸時代以前に元号に使われた漢字には画数が多いながら使用回数を重ねたものもありますが、明治以降の生活に密着した頻度の高い利用形態を思えば、画数の多いものは、今どきは避けると思われます。

・あと、意味的に使えなさそうな字を落としていくと・・結構限られてきて

第一学年 円 花 学 正 大 天 白 文 立 
第二学年 京 元 広 光 今 台 同 道 方 万 明
第三学年 安 央 化 向 進 世 全 相 定 品 平 由 有 和
第四学年 栄 加 改 各 完 求 共 結 功 好 士 史 司 治 周 初 松 信 成 仲 兆 典 伝 法 牧 良 連
第五学年 永 応 往 快 久 経 志 修 招 布

これくらいではないかと。新元号の二文字目が伸ばさない音になるとすると 花 化 和 加 士 史 司 治 志 布 くらいしか無いように思います。
一文字目が、MTSHと被らず、伸ばす音。人の名前になっていなさそうな組み合わせ・・立化なんて、結構語呂がよさそうと思ったら、良くない意味があるようなのでダメ?

光司 ・・横綱かっ 兆治 ・・まさかりかっ
・・・人名もダメ。で、私自身の前日最終予想は次の五つとします。

永布 広化 央加 向志 兆司

三日前の新元号トンデモ予想(UN交代説)

 江戸時代末期以降の元号を並べてみると、二パターンの読みのリズムを切り替え、繰り返しているように見えます。
文久(ブンキュー ・・-)
元治(ゲンジ -・)
慶応(ケイオー ・・-)
明治(メージ -・)
大正(タイショー ・・-)
昭和(ショーワ -・)
平成(ヘイセー ・・-)

これは、耳の遠い人でもリズムの違いで、聞き分けられるようにすることを考慮しているのではないでしょうか?
モールス符号で・・- はU、-・はN。なので、私が勝手に「UN交代説」と名付けました。
とすると、平成の次の元号はN -・の番です。

日台重籍者の国籍法上の扱い「不開示決定」

 台湾の籍を持つ日本国民(以下「日台重籍者」)は、日本の国籍法上、「外国の国籍を有する日本国民(重国籍者)」として扱われるのかどうか? 国籍選択義務を負うのかどうか?

 2016年に起きた、蓮舫氏の国籍騒動では、日台重籍の場合も、国籍法14条の「外国の国籍を有する日本国民」にあたるという前提の下、「蓮舫氏は選択の義務を果たしていなかった」として批判されました。蓮舫氏はその後、台湾籍の離脱手続きを行いましたが、提出しようとした「台湾籍の離脱証明」を日本側は受け付けず、さらに「日本国籍の選択宣言」を行うことになりました。
 こうした経緯から、「日台重籍者の扱い」は一般の外国との「重国籍者の扱い」と同様で、選択義務も負うのだ、と通常思われていることでしょう。
 ところが、実務上の取り扱いを調べていくと、日本側が、台湾の籍を「(国籍法上は)外国の国籍」として扱っていない実態があらわになって、矛盾を生じてきます。

 そもそも義務として「選択手続」を求めるのであれば、「義務を課す側」が、
・どういう選択肢があるか?
・それぞれの選択肢を選んだ場合に、それぞれどういう法的な効果があるか?
を詳細に説明するのが筋でしょう。さもなければ義務を課されようとする側は、判断ができません。

 「選択」というからには、「複数」の「選択肢」があり、その中から一つを選ぶ手続きのはずです。日台重籍者に対して、選択を義務として課すというならば「日本国籍の選択」の他に「台湾籍の選択」があってしかるべきでしょう。しかし、筆者が2017年10月2日に東京法務局国籍課に電話で問い合わせたところ、

・台湾国籍と言うのは日本側の扱いではそもそも無い。日本国籍単一の国籍を持っているというふうに扱われる。
・台湾の国籍を選ぼうとしても、その手続きである日本籍離脱届は不受理になる。よって、そういった申請を出す必要はない。

と説明されました。(リンク先に録音あり)

liuk.hatenablog.com

 

 法務局の国籍担当部署がこのように説明をしている以上、当事者は、選択について悩む必要はないはずです。この内容がそのまま役所から文書で公開されれば、当事者の多くが安心できるはずです。そこで当方は、この内容を「文書の形」でもらおうと、説明をしてくれた東京法務局に対して、2019年1月に、情報公開制度に基づいた文書開示の請求を行いました。対象は
 ・(上記の)私への回答内容に関する記録文書
 ・日台重籍について当事者に説明する際の根拠文書
の2件です。

 ところが結果は両方とも不開示で、「保有していない」というのが理由でした。

f:id:liuk:20190209133315j:plain

不開示決定した行政文書の名称
平成29年10月2日に、開示請求者が東京法務局民事行政部国籍課に対して電話で問い合わせた際の質疑応答に関する記録

不開示とした理由
開示請求に係る行政文書を保有していないため、不開示としました。

 

f:id:liuk:20190209133333j:plain

不開示決定した行政文書の名称
 東京法務局民事行政部国籍課が、「日本と台湾の籍を併有する」と称する者に関する国籍法第14条の国籍選択義務について説明を求められた場合に、説明をする上で根拠とする通達、指針等の文書

不開示とした理由
開示請求に係る行政文書を保有していないため、不開示としました。

 

「無い」と言われるとどうしようもなくなってしまいますが、
・問い合わせの窓口機関が、問い合わせについてどう回答したか、記録を残していない、などと言うことがあるものでしょうか?

・日台重籍の選択義務についての説明の根拠となる通達、指針などの文書が無いという理由付けもまた驚きです。

 2016年10月18日の金田法務大臣会見では、日台重籍問題に関して「こうした課題について説明を求められればこういう回答をしています。」と、一貫した対応方針があるかのごとき説明をしています。

法務省:法務大臣閣議後記者会見の概要

ならば、国籍相談を担当する各地方法務局に対して、この件についてさらなる問い合わせがあった場合はどのように答えるべきか、といった、通達が何かしら出ていそうなものではないでしょうか? 何も開示する文書が無いというのは、いくらなんでもおかしいとは思いませんか?