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蓮舫騒動とは何だったのか?・・・シンポジウム「『二重国籍』と日本」聴講レポート

 4月28日(土)日本記者クラブで開催されたシンポジウム「『二重国籍』と日本」

nojimatsuyoshi.com

を聴講しました。二部構成で、前半(第一部)は、話題になった蓮舫氏のケース(日本と台湾の間)のいわゆる"二重国籍"問題についての扱いを検証するもの、後半(第二部)は、日台間に限定しない、一般論としての二重国籍問題について論じるという構成です。

 第一部では、驚くべき報告がありました。台湾の「居留問題を考える会」会長の大成権真弓さんが紹介された次の事実です。

(「日台重籍者(台湾の籍を併有する日本国民)の国籍選択の義務」に関して、広島法務局でご自身で確認したところ)

※「日本側から見ると、台湾の国籍では、外国の国籍を有するとはみなされないので、日本国籍一つだけであり、それ故、国籍選択届は、提出不要」と説明された

というのです。

(法務局のこの説明については、このブログで(東京法務局で当方が受けた説明を)幾度か書いてきましたが、公のシンポジウムの場で、以外の方によって、別の法務局でも確認されたことは、ファクトチェックの観点からも非常に大きいと考えます)

(一方で他の方に対しては、「 出生に伴う日本と台湾の重国籍者には他の国籍の国籍者と同様に国籍留保届と国籍選択届が必要」と説明された例もあるといいます。)

大成権さんは、国籍法の制度としては重国籍容認へ舵を切ることを提言されるとともに、こと「日台重籍」に関しては

>「日台の二重国籍者の不安を解消するために、もともと国籍選択する必要がないのであれば、しっかり告知すべきである。」

と強くおっしゃっていました。

 もちろん国にはそのようにきちんと告知してもらわねば困ります。法治国家として、当事者に制度上の正確な扱いを説明するのは、全く当たり前のことです。ところが、日本ではそれができていなかった、ということが明らかになったわけです。国籍行政の在り方を憂慮せざるを得ません。

 蓮舫さんのケースのような「日台重籍」の場合に、「国籍法上の選択義務」が無かったなら、「国籍法違反」「選択義務違反」と連呼された蓮舫さんの騒動とはいったい何だったのでしょう?

 

 さて、何が「特別」寄稿なのかどうか知らないですけど、4月28日の朝に八幡氏がこのような記事

gyo.tc

を書いてきたのは、同日のこのシンポジウムを相当意識していたのだなということがうかがえますね。
 なにもごちゃごちゃ御託を並べる話じゃない。

 蓮舫と同じ日台重籍の当事者に対して、法務局が、「日本側から見ると、台湾の国籍では、外国の国籍を有するとはみなされないので、日本国籍一つだけであり、それ故、国籍選択届は、提出不要」と説明している事実が、シンポジウムでは共有されたわけです。このように説明を受けている日台重籍者に対してこれ以上何を求めようというのですか?